玉川大,極めて多くの光強度をもつ量子暗号を発生

玉川大学の研究グループは,Y-00光通信量子暗号のための光の変調(電気-光変換)方法を新たに提案し,電気デジタル・アナログ変換デバイスの限界を打破する,極めて多くの光強度をもつ暗号を発生させる実証実験に成功した(ニュースリリース)。

Y-00光通信量子暗号では,暗号鍵を用いて,データ信号(平文)を多くの異なる光強度に変換することで暗号化を行なう。隣接する光強度が近づくと受信時の光-電気変換で生じる量子雑音の影響で,鍵をもたない盗聴者は正確な平文を復元することができない。

この秘匿効果は,隣接する光強度をどれだけ近づけることができるか,つまり,いかに多くの異なる光強度を作り出すことができるかに依存している。これまでは,その数が電気デジタル・アナログ変換デバイスの性能で制限されてきた。

今回,複数の電気デジタル・アナログ変換デバイスの出力を光の領域で多重化して光強度に変調する方法を提案した。これにより電気デジタル・アナログ変換デバイスの性能に依存しないY-00光通信量子暗号の発生が可能となる。

実証実験では,214(=16,384)という「極めて」多くの異なる光強度にて,10Gb/sの高速データ信号を暗号化することに成功した。単一のデジタル・アナログ変換デバイスで発生できる光強度の数は210(=1,024)程度であり,提案方法の導入でこの限界を大きく超える光強度の数を実証した。この成果は,量子雑音の効果に基づく安全性を高速の通信で実現できることを示すものだとしている。

キーワード:

関連記事

  • なぜ今「量子」なのか OPIE’26で新フェア、産学官が本格連携

    2026年4月22日から24日までパシフィコ横浜で開催されるアジア最大級の光技術展示会「OPIE’26」において、最大の注目は新たに新設される「量子イノベーションフェア」である。本フェアは、国内最大級の産学官…

    2026.04.15
  • 【主張】政策と技術を結ぶ日本の可能性

    世界最大の光学展示会 3月15日から米国ロサンゼルスでOFC(Optical Fiber Communication Conference and Exhibition)が開幕する。通信バブル崩壊後、存在感を失っていた同…

    2026.03.25
  • 東芝、重粒子線治療装置と量子暗号通信の体験型コンテンツで「iFデザインアワード2026」を受賞

    東芝、重粒子線治療装置と量子暗号通信の体験型コンテンツで「iFデザインアワード2026」を受賞

    東芝は、iF International Forum Designが主催する国際的に権威のあるデザインアワード「iFデザインアワード2026」において、「重粒子線治療装置CI-1000」および「量子技術体験型コンテンツ『…

    2026.03.16
  • オキサイド、量子コンピュータ向け紫外レーザー光源の販売を開始

    オキサイドは、量子コンピュータ向け紫外レーザー光源の販売を開始した(ニュースリリース)。新製品は波長302nmの紫外レーザ光源で、Yb原子を用いる中性原子型量子コンピュータにおいて、Rydberg状態の生成に用いられる中…

    2026.03.10
  • 早稲田大と産総研、量子技術分野の相互協力に関する連携協定を締結

    早稲田大学グリーン・コンピューティング・システム研究機構(GCS機構)と、産業技術総合研究所量子・AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センター(G-QuAT)は量子技術分野の相互協力に関する連携協定を締結した(ニュース…

    2026.03.10

新着ニュース

人気記事

編集部おすすめ

  • オプトキャリア