出光興産は,中国における有機EL材料のさらなる需要拡大に備え,供給体制と技術支援を強化するため,4月12日,中国四川省成都高新技術産業開発区政府と基本合意に至り,2018年度第1四半期に有機EL材料事業に関する現地法人を設立すると発表した(ニュースリリース)。
近年,スマートフォンや大型テレビ等,多くの製品に有機ELディスプレーの採用が進んでいる。中国においては,政府が推進するディスプレー産業の振興政策を背景として,大手ディスプレーメーカー各社を中心に有機ELディスプレー製造設備への投資が加速しており,同社では今後,有機ELディスプレー生産国として著しく成長すると見込んでいる。
同社は,2017年,上海市に出光電子材料(上海)有限公司を設立し,有機EL材料事業におけるカスタマーサポートやマーケティング活動を行なってきた。今後は,中国顧客への技術支援をさらに強化するため評価体制を構築するとともに,顧客に安定供給すべく,供給体制の早期整備が必要と判断した。
今回同社は,上記を目的とした新たな現地法人を成都市に設立することについて,四川省成都高新技術産業開発区政府と基本合意した。今後,会社設立手続きを経て,2019年度中に有機EL材料製造工場を完工し,商業生産開始を目指す。なお,同社は静岡県御前崎市及び韓国京幾道パジュ市に有機EL材料製造工場を有しており,この拠点は同社第三の製造拠点となる。