京セラは,プリンティングデバイス事業の新製品として,インクジェット方式の広告看板用途を中心に,各種UV印刷や,接着,コーティングなどに用いられる産業用硬化光源となる,空冷式LED-UV照射機「G5Aシリーズ」を開発した(ニュースリリース)。
UV印刷は,紫外線(UV)を照射してインキを硬化,定着させる印刷方式で,瞬時硬化で生産性が高い点や,多種多様な素材に印刷できる点で注目されている。また,光源には,消費電力削減によるCO2抑制やオゾンが発生しない環境配慮の点から,近年ではLEDが注目されている。
UV硬化用光源の市場は2019年までに300億円以上に拡大すると予想されており,特に,広告看板用途などの産業用インクジェット印刷の分野で,高出力タイプの空冷式LED-UV照射機が求められている。
新製品は,独自の高熱伝導性セラミック基板とモジュール放熱設計により,LED素子の高密度実装が可能となり,従来の高出力品(16W/cm2)の約半分まで小型化しながら,世界最高出力の照度24W/cm2を実現。さらに,硬化性の重要な指標となる積算光量350mJ/cm2(50m/min時)を達成したことにより,水冷式に匹敵する高速硬化性を実現した。
これによりインキ硬化性能が向上し,UV印刷を高速化する。また,高出力でありながら空冷式を採用しているため,チラー装置などの付帯設備が不要となり,設備導入コストの低減が図れる。さらに,連結可能なユニット構造を採用したことにより,印刷装置に合わせた照射幅のカスタマイズも可能となっている。同社ではこの製品の2019年度の販売目標を10億円に設定している。