シーメンスとキヤノンは,インダストリー4.0時代の工場の自動化(FA)を支援するシステムソリューションに関して密接に連携していく事で合意した(ニュースリリース)。
近年,製造業界におけるオートメーション化は工場ネットワークのイーサネット化に伴い,工場におけるネットワーク対応カメラの活用が進みつつある。キヤノンでは映像技術に強みを持つカメラ製品に関して,製品開発・導入検証を行ない,その効果を確認してきた。一方,シーメンスはインダストリー4.0時代におけるデジタルエンタープライズコンセプトのもと,デジタル化とオートメーション化を進める製品群をワールドワイドで展開している。
今後両社の強みを持ち寄り,画像活用によるオートメーション化と更なる品質向上を推進する取組みを加速させる。数値データによる収集と分析が主流の生産現場において,映像データと数値データを組み合わせることで分析できる内容が広がり,生産現場の「見える化」と生産性向上を実現するとしている。
具体的には,キヤノンはシーメンス製産業用パソコンSIMATIC IPCをベースに工場ラインへの組み込みが可能な監視・録画システムと画像処理システムを製品化し,2018年3月より発売する。キヤノンのカメラシステムとシーメンスのSIMATIC PLC(プログラマブルロジックコントローラ)およびSIMATIC WinCC SCADA(監視制御システム)の連携を通じて最適な撮影タイミング,簡単な画像取り出しと同時に,データの蓄積/活用をオールインワンで実現する。
両社は今後,製造業界向けに様々なアプリケーションを順次市場投入することで,画像を活用した製造革新を推進するとしている。