オン・セミコンダクターは12月5日,メディア向けに事業戦略説明会を行なった。同社は1999年にモトローラ社からスピンオフしたディスクリート半導体メーカー。製品ポートフォリオは多岐にわたるが,中でも車載向けイメージセンサーに強くシェアは出荷数ベースで50%を超える。
説明の中で同社担当上席副社長のDavid Somo氏は,同社のイメージセンサーが特にフリッカ除去とウルトラHDRを得意とし,強い光に対しても対象を捉えるとして,同社の「HAYABUSA™」シリーズを紹介した。さらに同社は,IBMが開発したミリ波レーダーの技術を取得しており,従来から所有する車載向け製品化技術を用いて,今後は開発する次世代イメージングセンサーとセンサーフュージョンを実現するとしている。
国内において同社のイメージセンサーの出荷量は毎年2桁%伸びており,これまでそのアプリケーションはこれまでビューイングがメインだったが,ADASの普及に伴いレーンキープといった監視・センシングへと移行しつつあるという。同社では法規整備の進捗にもよるとしながらも,2020年にはレベル4の自動運転を実現するセンサーフュージョンを実現したいとしている。
さらに自動車関連としては,EVやHEVに注力するとし,主にパワートレインに関するドライバやコントローラー,オペアンプ,GaNトランジスタ,電流検出デバイスなどでプレゼンスを発揮していくとした。さらに,IoTについてもパワーマネージメント,コネクティビティ,センサー,パッケージングといった要素技術を用い,包括的な超消費電力ソリューションを提案するほか,IoT開発キットによりプレゼンスを高めていく。
また,同社日本法人代表取締役社長の滝口修氏は,同社が日本国内にも開発拠点と自社ファブを持つと共に,富士通とも生産において協業関係にある「メイドインジャパンに拘る会社」だと紹介し,日本法人が今後注力する柱として「オートモーティブ」,「日本に特徴的なアプリケーション」,「中核的なインダストリアルFA&ロボット」,「ブロード&エマージングマーケット」の4つを列挙した。
このうち「日本に特徴的なアプリケーション」とは,家電やゲーム機器などを指し,「ブロード&エマージングマーケット」とは今後世界的な躍進が期待される日本発の市場を独自に探し出すことを指すという。また「中核的なインダストリアルFA&ロボット」については,同社がフェアチャイルドセミコンダクターの買収を完了したことから,ポートフォリオに加わったパワー半導体をレバレッジとして,マシンビジョンを含むFA市場に本格的に進出すべく集中投資を行なうとしている。