阪大ら,イメージセンサー搭載血管内視鏡を開発

大阪大学とパナソニックは,直径1.8mmでありながら約48万画素相当の高画質で血管内における前方視を可能にする,世界初の“イメージセンサー先端搭載型血管内視鏡カテーテル”の実用化に成功した(ニュースリリース)。

現在,血管内治療に用いられる血管内観察用医療機器として,超音波(IVUS)や光干渉断層法(OCT)があり,これらの機器はモノクローム(単色)での血管断面の観察を得意とするが,臨床現場においては,リアルタイムに前方の状況を見ながら治療したいというニーズがあった。

今回開発した血管内視鏡カテーテルは,先端にイメージセンサーを搭載することにより,フルカラーで対角90°と広視野角で血管内の前方視が可能。この血管内視鏡カテーテルの実用化には,血管の中に挿入する細い筒状のカテーテルの先端に,更に小さなイメージセンサーを実装する精密加工技術と,これらを制御し高画質画像を構成する技術が必要だった。

この研究開発の成功により,血管内の動脈硬化の様子や,血栓,ステント留置後の状態を,高画質のフルカラー画像で把握することが可能になる。

これにより,通常の血管内治療において病変部の情報を術者に提供できるばかりでなく,近年増加傾向にある完全閉塞病変といった治療難度が高い症例において,前方方向にある治療ターゲット部位の情報をリアルタイムで提供できる点において,特に有用だとする。

新薬の効果や新しいステント,人工血管などの評価にも寄与できると考えられ,血管内治療全体の発展に大きく貢献することが期待されるとしている。

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