浜松ホトニクスは,今後拡大が期待される赤外光応用市場に向け,化合物光半導体素子の生産能力を強化するため建設していた都田製作所第3棟が完成し,2018年4月から稼働を開始すると発表した(ニュースリリース)。
同社は,主力製品である光電子増倍管やSiフォトダイオードなどの主に可視領域で使用される受光素子のほか,赤外光も含めたさまざまな光の領域に対応した製品を販売している。今後,赤外光応用市場の拡大が見込まれるため,化合物光半導体の受発光素子の生産能力を強化する。
赤外光は食品や大気,水質などの分析用途のほか,レーザー加工などの産業用途でも利用が進んでおり,今後も医療やセキュリティなど多様な分野で応用市場が拡大すると予想されている。また,先進運転支援システムおよび自動運転システム向けの赤外光を用いたLiDAR(Light Detection And Ranging)は,急激に市場が拡大すると見込まれている。
これらの応用市場では,用途に応じて受発光素子の性能を最適化する必要がある。同社は受光,発光の両素子を生産している世界でも数少ない企業であり,用途に応じて最適な提案ができる。今後も赤外光応用市場に製品を供給していくとしている。