阪大,スタジアムで光ファイバー無線による5G通信を実施

大阪大学がリーダーを務める日欧国際連携共同研究プロジェクトRAPIDは,大阪府吹田市の市立吹田サッカースタジアム(ガンバ大阪本拠地,40,000人収容)において,大規模サッカースタジアムとしては世界で初めてミリ波を用いた次世代(5G)無線通信実験を行ない,未来のスマートフォン等の通信速度の大幅な向上に有効であることを明らかにした(ニュースリリース)。

2020年の東京オリンピック・パラリンピックへ向けて,数万人の観客が集まる大型競技場においても快適な無線通信を実現できる次世代無線システム,「5G無線」が求められている。

しかし,これまでスマートフォン等の移動端末を用いた無線通信では,利用者が密集している場所において,通信速度が遅くなり,快適に利用することができないという問題があった。この通信速度低下の原因は,限られた無線周波数を同じ空間で共用するために,ある端末からの電波が他の端末の通信を妨害する電波干渉が多発するためだった。

今回,研究グループは,電波の届く範囲を制限しやすく,電波干渉を抑えることが可能なミリ波の特徴に着目し,光ファイバー無線とを巧みに利用した通信システムを構築し,実証試験を行なった。

光ファイバー無線は,無線の信号を光信号に変換して,光ファイバーを利用して無線信号を送る技術。光ファイバーは,あらゆる情報伝送ケーブルの中で伝送中の信号の減衰が最も小さく,同軸ケーブル等で困難な高い周波数の無線信号も伝送できる。

実験では,ミリ波の通信のためのアンテナ局を客席の天井等に分散配置することで,スタジアムのように大勢の観客が着席しているような環境において,高速な通信が可能であることを実証した。さらに,光ファイバー無線を用いて,5Gシステム設計のための詳細な特性を取得することにも成功した。

これにより,東京オリンピックメイン会場のような大規模スタジアムでの5G開発が加速することが期待されるとしている。

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