マクセルは東京モーターショーで,曲面スクリーン上に立体像を表示する「Glasses-free 3D-Display」(裸眼3Dディスプレー:3D-Display)を展示する(関連記事)。
これは情報通信研究機構(NICT)と共同開発したもので,NICTの3Dディスプレー技術「fVisiOn」(関連記事)をブラッシュアップし,さらに解像度を高めたものとなっている。
原理は,レンチキュラーレンズを用いた光線の拡散を制御する円錐状スクリーンに対して,複数のプロジェクター からの映像を同期して重畳投写することで,スクリーン内に3D映像を表示するというもの。この方式は解像度がプロジェクターの数に依存するが,今回同社では光学系配置の最適化により,光線密度を従来比3.5倍と高めることに成功した。
具体的には視野角50°(原理的には360°全方位から立体像を得られるが,展示では実証が目的として制限)において,144台のLEDピコプロジェクターを用いてデモを行なう。同社では今回,女性キャラクターを表示するが,将来的には自動車に搭載し,ドライバーのコンシェルジュとして活用できるのではないかとしている。
ただし,現在のところ360°の立体像を得るためには1000台以上のプロジェクターが必要なこと,またさらなる高精細な映像を求める声が多いことから,さらに光学系を工夫するなどして対応したいとしている。装置の小型化・低消費電力化も必須だが,これには超小型なレーザープロジェクターの開発が有効となりそうだ。