スタンレー電気はCEATEC JAPANにおいて,エレクトロクロミック技術を応用した透明状態と鏡面状態を切り替えられるミラーの開発品を参考展示した。
これはIOT膜の付いたガラスの間を銀の入った電解質で満たしたもので,電圧をのON/OFFによって銀が析出/溶出し,鏡と透明ガラスの状態を切り替えることができるというもの。色が変わるエレクトロクロミックガラスはこれまでに製品化されているが,鏡と切り替わるものは世界初だという。
厚さは数㎛~数十㎛で,溶液内の銀をガラス面に均一に析出させることが難しかったという。そのためには不純物対策など,高度な処理が行なわれている。
透明時の透過率は80%,鏡面時の反射率は現在のところ50%だが,70%を目標に開発を進めている。切り替えに要する時間は数百ミリ秒で,こちらも改善が必要な点となっている。
駆動に必要な電圧は鏡面にする場合で+3~4V,透明に戻す場合で-0.5V。同社では車のルームミラーやアミューズメント,光学素子などの応用を見込んでおり,2020年ころの製品化を目指している。