近畿大学の研究グループは,「円偏光」を発するCPL発光体を開発した(ニュースリリース)。
多くの発光体は直線偏光であるため,フィルターを用いて直線偏光を円偏光に変換しているが,フィルターを通すことで光強度が減少し,エネルギー効率が悪化するため,円偏光発光体の開発が進められている。
研究グループは,アミノ酸の一種であり,光を発する特性を持つピレニルアラニンをペプチド固相合成法でペプチドにすると,CPL発光体になることを発見した。
この発光体は,溶液の種類により円偏光の左右の回転方向が制御できるという特徴があり,環境によって用途を変化させることができる。
また,アミノ酸から構成されているため,生体適合の可能性がある。将来的には,がんなどの腫瘍に付着して発光することで腫瘍を発見しやすくするマーカーなど,医療用途への応用が期待されるとしている。