LED世界市場,自動車やウェアラブルデバイス分野向けに注目集まる!

■注目の自動車向けLED市場

2016年頃から自動車メーカー各社が自動車へのLED製品の搭載を加速させ,これにより,LED製品率が15%を超え,2020年には30.7%に達するものと見られている。

ヘッドライト用光源にも採用が進んでおり,片側でロービーム用SMD(Surface Mount Device)タイプ1個が主流となり,1パッケージに高出力LEDチップが4~6個使用されている。今後はLEDチップの実装においてCSP(Chip Scale Package)の技術を使った製品化が進むと予測されている。

報告書によると,白色LEDパッケージのアプリケーションとして数量ベースで2016年のヘッドライトシステムは3,580万個になる見込みで,2017年は4,330万個になると予測。2020年予測では7,530万個になるとしている。

リアランプシステムは,2016年が7,180万個になる見込みで,2017年が7,310万個になり,2020年は7,390万個と予測。ほぼ横ばい基調で推移するものと見られている。

DRL(Daylight Running Lamps:昼間点灯)は2016年が4億1,110万個になる見込みで,2017年が4億3,980万個,2020年は5億1,350万個になると予測。メーターシステムは2016年が12億7,270万個になる見込みで,2017年が13億630万個,2020年予測は14億3,120万個になるとしている。

図3 自動車アプリケーション向けLED市場推移(2016年は見込み,2017年以降は予測)
図3 自動車アプリケーション向けLED市場推移
(2016年は見込み,2017年以降は予測)

ヘッドアップディスプレイは市場が立ち上がり始めたばかりだが,2016年は1,590万個になる見込みで,2017年は2,100万個,2020年は4,960万個になると予測されている(図3)。

自動車向け光源では半導体レーザーや有機EL光源の採用も候補にあがっているが,その多くは研究・開発の段階にある。これらの進展とともに,本格的な市場の立ち上がり時期が注目されている。

■紫外LEDアプリケーション市場

紫外LEDパッケージのアプリケーションでは,UVスポット硬化装置市場について,数量ベースで2016年が165万個になる見込みで,2017年が167万個,2020年は170万個になると予測。ほぼ横ばいで推移すると見られている。空気清浄機市場については2025年予測として100万個になるとしている。

実用化が期待されている深紫外LEDの最近の成果としては,理化学研究所産業連携本部イノベーション推進センター高効率紫外線LED研究チーム・チームリーダーの椿健治氏,同じく研究員の高野隆好氏,美濃卓哉氏,阪井淳氏,野口憲路氏と,平山量子光素子研究室・主任研究員の平山秀樹氏らの共同研究チームが,殺菌用の深紫外LEDを従来の5倍程度となる20.3%の高効率化することに成功している。この値は低圧水銀ランプの効率に迫るものという。

一方,情報通信研究機構は光出力150 mWを超える深紫外LEDの開発に成功した。ナノインプリント技術を用いて,LEDチップ全面に光取り出し特性と放熱特性を同時に向上させる独自のナノ光・ナノフィン構造を形成することで,従来構造よりも大幅に光出力を高めることに成功した。ナノインプリント技術を用いたことで,従来の電子ビーム描画方式よりも,製造時のコスト低減が可能になるとしている。◇

(月刊OPTRONICS 2017年6月号掲載)