オムロンは,製造現場におけるIoT化を目的に,産業用コードリーダーの米マイクロスキャンシステムズ社(以下マイクロ社)を買収することについて,親会社である英スペクトリス社と契約を締結した(ニュースリリース)。買収の完了は2017年10月上旬の予定。
マイクロ社は,バーコードリーダーや2次元コードリーダー,ベリファイ機器など多様なコード読取機器を開発し,米国を中心にグローバルに事業を展開する,産業用コードリーダーのリーディングカンパニー。製造現場において製品に直接刻印・印字されたコードを表面の粗さや光沢,曲面などの影響を受けずに安定して読み取れる,業界トップクラスのアルゴリズム技術を有する。
近年,製造業では,製品に対する安心・安全ニーズの高まりや品質問題の解消に向け,トレーサビリティの厳格化や,EICCなど製品の安全に対するガバナンス確立への取組みが進んでいる。また,消費者の嗜好が多様化し,最終製品のパーソナル化が進む中,多品種少量生産や製品一個単位のカスタム生産を支える”個体管理”の重要性が高まっている。
たとえば,自動車業界ではエンジンブロックやシリンダ等光沢のある金属部品に二次元コードが直接刻印されるなど厳しい条件下で堅牢性の高いコード読取が求められ,デジタル機器業界では機能部品ごとにID管理が行われコンパクトで精度の高いコードリーダーが必要となっている。また,医薬品業界においても,偽造防止や安全性向上の観点から,薬品一つひとつにコードを刻印する個体管理が進んでいる。
同社は,今回の買収により,業界トップクラスの2次元コードの読取技術を搭載した多様なコードリーダーと同社の幅広い制御機器によるオートメーション技術を統合し,各業界の課題に即したトータルソリューションをパッケージで提供していく。また,両社が保有する販売網を相互に活用し顧客企業各社にソリューションを提供したい考え。