独Merck(メルク)は,米国カリフォルニア州で開催された「Phosphor Global Summit 2017」で「isiphor®」のシリーズの新製品である,フルスペクトル(FS)蛍光体を発表した(ニュースリリース)。
この蛍光体は,紫色LEDチップのアプリケーション向けに開発さたもの。非再吸収性でスペクトル設計の自由度が高く,色のばらつきを抑える独自の特徴を備えており,歩留まりを大幅に改善できる。また,高変換効率で省エネにも効果的だとしている。
紫色LEDチップは,太陽光に近い波長により美しい色合いを実現するとともに,LED照明の弱点であった高電流時のエネルギー変換効率の低下を抑えることができる。従来の青色LEDに比べて,より鮮やかで自然な白色や肌色の演出が可能で,時間の経過とともに変化する自然光の色を再現できるよう設計されている。
これによって,昼間,自然光が得られない環境でも人主体の照明を実現し,睡眠と覚醒のサイクルを維持することができる。睡眠を阻害する可能性のある照明光によるメラトニンの分泌抑制を低減する効果も見込まれるという。