パナソニックは,シリコン系太陽電池モジュールの出力温度係数において,量産レベルとして世界最高水準となる-0.258%/℃を達成した(ニュースリリース)。
太陽電池(セル)を実装するモジュールは,温度が上昇すると変換効率が低下するため,出力が低下する。その低下度合いを表した指標が出力温度係数。一般的なシリコン系太陽電池の出力温度係数は-0.50%だが,これはモジュール温度が1℃上昇することで変換効率が0.50%低下することを意味する。同社のこれまでの出力温度係数は-0.29%/℃だった。
例えば,夏季に想定されるモジュール温度(75℃)では,変換効率が25℃時より25%低下することになるが,出力温度係数を改善した同社モジュールは,変換効率の低下を約半分に抑える。
HIT®の特長の1つである変換効率(定格)とこの温度特性を合わせることで,75℃時の変換効率は一般的なシリコン系に比べて46%向上するため,太陽電池が弱いとされる夏場でもしっかり発電する。
今回の成果はHIT®の最大の特長である独自のヘテロ接合技術の改善をさらに進化させたことで実現したものであり,関連技術は商品に導入しているという。