原研ら,廃炉向けにレーザー+水ジェット技術を開発

著者: sugi

日本原子力研究開発機構(原研),日立GEニュークリア・エナジー,スギノマシンの共同研究グループは,東京電力福島第一原子力発電所(1F)の廃炉作業における「炉内構造物及び燃料デブリ等の取り出し工程」に適用可能なレーザー光とウォータージェット(噴射水)の組合せによる除去技術を開発した(ニュースリリース)。

1Fの廃炉作業では狭い空間において遠隔操作技術により,炉内構造物や燃料デブリ等を切断し,かつ取り出すことができる大きさに加工する必要がある。また,安全の観点から作業者の被ばく低減や放射性ダストの飛散防止が求められている。

今回こうしたニーズに対応して,装置の小型化と狭い空間への適用が可能なレーザー加工と大気中へのダストの飛散抑制に有効なウォータージェットを組み合わせた技術を開発した。

加工実験では,ステンレス鋼試料表面にファイバーレーザー光(パワー5.5kW,波長1070nm)を照射し,同時に斜め上方向からウォータージェット(0.2MPa~3.2MPa)を噴射させた穴あけ試験を実施した。その結果,ウォータージェットを断続的に噴射することで溶融と冷却を制御し,水による冷却効果やレーザー光の吸収など,レーザー加工と組み合わせる際の影響を低減することができた。

また,炉内構造物や燃料デブリ等を想定したレーザーはつり除去加工の実証試験では,加工溝内外への溶融固化した塊は残らす,加工を繰り返すことによって対象物を表面から広さと深さ方向に削り取ることが可能であることが示された。また,加工の際に削り取られた除去物は適切な回収装置を設けることで,加工に伴う粉塵と併せて回収できるという。

これらの結果から,ファイバーレーザー光とパルスウォータージェットの組合せにより,炉内構造物や燃料デブリ等の除去加工への適用可能性が示された。さらにこの方式はレーザー,ウォータージェットそれぞれを単独に用いることもできるなど,対象物に応じてフレキシブルに対応することが可能。

一方,燃料デブリに含まれる硬くてもろい金属酸化物(セラミックスの一種)に対しては,レーザー光をその表面に集光することで砕くことが可能であることがこれまでの研究において実証されている。この方法も大量のアシストガスを必要としないことからその有用性が示されている。

種々の物質の入り交じり合った複雑な形状が予想される燃料デブリを模擬した試験体への適用はこれからの課題だが,この方式のフレキシビリティが大いに発揮されるものと期待されるという。また,この方式の現場適用にあたっては,単位時間あたりの除去量の一層の向上,除去にあたってウォータージェットにより捕捉された粉塵の回収が課題としてある。

現在,前者に対してはレーザーパワーの増強とそれに見合うウォータージェットの選定を,後者に対しては粉塵を閉じ込めて吸引する方法などを検討中している。

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