ZMPは,2015年よりコニカミノルタ製の24レイヤーの3Dレーザーレーダーのテストマーケティングを行なってきたが,耐環境性能向上に加えソフトウェアを追加した試作3Dレーザーレーダーのテスト販売を開始すると発表した(ニュースリリース)。
このレーザーレーダーは,TOF(Time Of Flight)方式のレーザーレーダーで,垂直方向に24レイヤー,水平画角120°の広範囲のスキャンが可能。夜間でも街灯などの明かりに影響されず,人と地形・構造物などの物体を区別しながら,人や物体をリアルタイムに検知・観測を行なえる。
レーザー光の点の情報を計測する他のLiDAR機器と異なり,レーザーに面積を持たせてタイル状に敷き詰められたすき間ないレーザースポット照射により,スキャンするレーザー光隙間で検出対象物を見失うことなく対象物の位置をリアルタイムに把握できる。また,夜間,外乱光の有無に影響されず対象物の距離計測が行なえる。静止状態でのレーザ照射範囲において背景ではない物体の検出を行なうソフトウェアもサンプルとして付属する。
自動運転や高度運転支援技術,自律移動車両の開発においては,周辺環境の3次元地図の作成,自車の位置の特定と,周囲に存在する他の車両や歩行者,障害物等の検出が必要となる。このレーザーレーダーは,リアルタイムで高精細な三次元情報の取得が可能なため,これらのシステムの開発や建機・物流搬送機器・移動ロボットなどの分野で環境認識センサーに適している。
ZMPは,「走る・曲がる・止まる」をコンピューター制御可能な自動運転技術開発のプラットフォーム車両「RoboCar」シリーズおよび各種センサー・システムを,自動車・自動車部品メーカー,産業用車両メーカー等に提供している。このレーザーレーダーをRoboCarシリーズ等へ搭載することにより,高精度な三次元計測データに基づく自動運転/自律走行システムの構築が可能になるとしている。