オリンパスの超解像顕微鏡技術,文科大臣賞受賞

オリンパスは,理化学研究所と同社による超解像顕微鏡の開発者が,「平成29年度 文部科学大臣表彰」において「科学技術賞」(開発部門)を受賞したと発表した(ニュースリリース)。

受賞者は,東京大学大学院理学系研究科教授で,理化学研究所生命システム研究センターチームリーダーの岡田康志氏と,同社光学システム開発本部の林真市氏,阿部勝行氏。

文部科学省では,科学技術に関する研究開発,理解増進等において顕著な成果を収めた者について,その功績を讃えることにより,科学技術に携わる者の意欲の向上を図り,もって我が国の科学技術水準の向上に寄与することを目的とする科学技術分野の文部科学大臣表彰を定めている。

顕微鏡で対象物を細かく観察できる能力は,空間分解能で表現されるが,一般的な光学顕微鏡は約200nmが限界と言われている。今回開発した共焦点顕微鏡をベースとしたスピニングディスク超解像顕微鏡法(SDSRM:Spinning Disk Super-Resolution Microscopy)は,超解像に最適な開口形状を有するディスクを高速回転させることにより,約100nmの空間分解能を,100分の1秒の時間分解能で観察することを可能にした。

また,これまでは困難であった,生きた細胞内で活発に動き回る細胞内小器官の挙動を捉えることができるようになった。これにより,生命現象の理解が飛躍的に進むことが期待されるとしている。

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