コニカミノルタと産業用センサーメーカーの独SICK AGは,戦略的アライアンスに関する契約を締結した(ニュースリリース)。両社は,急速に成長する自動化市場向け,両社の幅広く補完的な技術ポートフォリオを活かして製品とソリューションの共同開発を行なう。
コニカミノルタの3Dレーザーレーダー(LiDAR)は,24ラインで隙間なく,且つ広角で高精度スキャンを実現している。3Dで動体認識が可能である特長を活かし,ハイセキュリティ分野やデジタルマニュファクチュアリング,デジタルマーケティングなどの状態監視のサービスソリューションへの活用を見据えている。
今回のアライアンスの第一歩として,コニカミノルタは,このLiDARの改変バージョンをSICKにOEM供給し,SICKは,このLiDARに,工場や物流の自動化市場向けのインテリジェントセンサーに特化したAppSpaceプラットフォームを実装する。
両社はアライアンスを通じてLiDARの量産に向けた生産力とセンシング技術の更なる強化を図り,ソリューション事業の基盤強化を目指すと共に,LiDAR製品などの新たなセンサーとセンサーソリューションの共同開発も開始する。
コニカミノルタはデジタルカンパニーへの変革を目指し,M&Aや提携に積極的に取り組んでおり,2016年5月には,分散処理型(エッジコンピューティング)IPカメラ,画像データ圧縮技術と画像データ解析技術の獲得を目指して,独MOBOTIX社の過半数の株式取得を行なっている。
SICKはセンサーメーカーとしてLiDARを製品化してきており,自動運転の実験車両において米Velodyneと共に高いシェアを持つ。SICKはかつて自動運転向けLiADRメーカーの独IBEOが傘下に置いていたが,同社は2009年に独立している。
一方,コニカミノルタは複数レイヤーを持つLiDARの開発を数年前から進めてきた。今回,LiDARでブランド力のあるSICKへOEM供給することで市場での認知度を上げ,将来的には自動運転での採用も狙うものと思われる。