古河電気工業は,高出力化に適した波長可変レーザーチップを新たに開発し,小型ITLAの更なる狭線幅・高出力化を実現した(ニュースリリース)。
近年,通信基幹網及びデータセンター間での通信トラフィックが世界的に増加している。このようなトラフィック増加に対応するため,光デジタルコヒーレント方式による100Gb/s,200Gb/sの大容量伝送システムの導入が進んできた。
同社は,光デジタルコヒーレント方式の信号光および局発光用の小型ITLAを製品化しているが,通信トラフィックは加速度的な増加が続いており,市場及び顧客からは400Gb/s超,更には1Tb/sを超える大容量化に対応するため,ITLAの更なる狭線幅・高出力化が望まれていた。
今回同社は,長年培ってきたInP(Indium Phosphide)半導体チップ技術により,独自の回折格子構造を持つレーザーアレイと低損失光カプラーをモノリシック集積し,世界トップレベルの高出力化と狭線幅化を同時に実現した「狭線幅・高出力 小型ITLA」の開発に成功した。
この高出力・狭線幅化は,同社の持つ高精度パッケージング技術により消費電力など他の特性を損なわずに,従来と同等以下のパッケージサイズ(下記参照)で実現した。コマンドインターフェースはOIFで標準化されている規格に対応しており,光通信機器へ容易に導入できるという。同社では今後サンプル提供を開始し,その後速やかに量産体制を確立するとしている。
狭線幅・高出力 小型ITLA | 同社従来品 | |
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波長可変幅 | 1528~1564nm (C 帯) | 1528~1564nm (C 帯) |
光出力 | 19dBm | 15.5dBm |
線幅 | 100kHz | 300kHz |
波長安定性 | <±2.5GHz | <±2.5GHz |
消費電力 | 5W | 5W |
サイズ | 37.5(L) × 20(W) × 7(H) mm | 37.5 (L) × 20(W) × 7.5(H) mm |