富士化学工業は,関西学院大学と共同で,光エネルギーと鉄・炭素・酸素のみから成る新規触媒を使い,水から水素を発生させるシステムを開発した(ニュースリリース)。
水素は次世代エネルギーとしての活用が見込まれており,その市場規模は2050年に日本だけでも8兆円にのぼると言われている。現在その原料には,化石燃料ならびに天然ガスが主に使われており,現在開発中の水素発生システムには白金などの高価な金属が必須。そのため地球上に豊富に存在する安価な素材を使用したシステムの開発が望まれている。
今回開発した新規触媒は,地球上に最も多く存在する鉄,炭素,酸素を材料としているため安価であることが特長。またこの触媒は繰り返し使う ことができ,電極触媒としても利用可能でプラチナの代替ともなり得ることがわかっているという。
富士化学工業はCSD(クローズドスプレードライ)に代表される粉体加工技術を得意としており,その技術を触媒の加工に活かし,水素発生シス テムの開発を行なっている。
この研究についての詳細は,3月3日に京都で開催される人工光合成国際会議ICAPR2017でポスター発表された。