ニコン,再生医薬品企業と提携

ニコンは2月22日,再生医薬品のヘリオスとの間において,業務・資本提携契約書について合意したと発表した(ニュースリリース)。

再生医療は,世界中の難治性疾患の罹患者に対する新たな治療法として期待されている分野であり,近い将来大きな市場となる可能性を持っている。ヘリオスは,人工多能性幹細胞(iPS細胞)等を用いた再生医薬品を開発しており,実用化の可能性のあるパイプラインを複数保有するバイオテクノロジー企業。

2011年に設立,2015年に東証マザーズの上場し,国内ではこれまでに目の難病である加齢黄斑変性を対象とした再生医薬品の開発を進めている。眼科領域以外でも,幹細胞製品による脳梗塞急性期の治療法開発を開始,2016年後半から治験段階に入っている。その他,臓器原基の移植により体内で機能的なヒト臓器を創り出す再生医薬品の研究開発も進めている。

ニコンは2013年8月にヘリオス(当時:日本網膜研究所)による5億円の第三者割当増資を引き受け,ヘリオスが取り組むiPS細胞を利用した加齢黄斑変性の再生医療実現などを支援してきた。この契約の締結を通じ,ニコンはヘリオスが進める再生医薬品の開発を資本面でサポートするとともに,画像解析技術を基礎として培ってきた生きた細胞の品質評価,再生医療用細胞等の培養・生産等の技術面でのソリューションを提供する。

ニコンはこの契約の締結により,再生医療用細胞等の受託生産において幅広い事業機会を得ることとなる。具体的には,ヘリオスが日本における再生医療等製品の開発ライセンスを取得し,その再生医療等製品の細胞生産において第三者への製造委託を検討する場合,特定の分野を除いて当社はヘリオスから独占交渉権または優先的な交渉機会を得る。また,再生医療分野における新規事業展開に資すると考えられる細胞受託生産や細胞の画像評価等に関するシーズについてヘリオスから有益な情報提供を受けることが可能となるとしている。

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