群⾺⼤学は,⾷べられる光学素⼦を開発した(ニュースリリース)。
レンズやプリズムといった光学素⼦はカメラやコピー機など私達の⾝の回りで広く利⽤されている。現在の光学素⼦はガラスやプラスチックなど透明な固体からできおり,当然のことながら⼈間が⾷べられるものではなかった。
もし,⾷べられる素材で光学素⼦を実現できれば,料理と組み合わせた新たな⾷の演出⽅法の創出や,⼈間の消化管内部に設置することで⼿術の⾃動化・⾼精度化,内視鏡検査の⾼性能化が可能になる。そこで研究グループでは,⾷材を利⽤して光学素⼦を成形する⼿法を研究してきた。
ゼリーや飴のように透明でかつ成形が容易な⾷材を候補として試⾏錯誤をした結果,寒天が光学素⼦の成形に適した性質を持つことを⾒出した。さらに,寒天を利⽤して光学素⼦の⼀種である,再帰性反射材を成形することに成功した。
再帰性反射材は,道路の標識や⾃転⾞の反射材として利⽤されている光学素⼦で,画像処理⽤のマーカー(⽬印)としてもよく⽤いられている。これを⾷べられるようにしたことで,料理の上にマーカーとして載せられるようになった。
この応⽤の⼀例として,料理上へのプロジェクションマッピングを実現した。これは,料理の上の⾷べられる再帰性反射材とカメラを利⽤して料理の位置を計測し,料理の場所に合わせて映像を投影するもの。これを応⽤すると,例えば結婚披露宴でケーキの上にプロジェクションマッピングが容易にできるようになり,ナイフの⼊⼑にあわせてケーキの上に花が舞い散るなどの演出が可能になるという。