新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)とソーラーフロンティアは,CIS系薄膜太陽電池サブモジュール(30cm角)で,世界最高変換効率19.2%を達成した(ニュースリリース)。
太陽電池の変換効率向上は,太陽光発電における発電コストの低減に大きく寄与するため,世界中の企業,研究機関が取り組んでいる。特に,CIS系薄膜太陽電池は結晶シリコン系太陽電池と比較して膜厚を薄くでき,少量の原料で製造が可能なため,省資源かつ低コスト化できるという特長があり,さらなる変換効率向上が期待されている。
今回,NEDOの「高性能・高信頼性太陽光発電の発電コスト低減技術開発」プロジェクトにおいて,ソーラーフロンティア,CIS系薄膜太陽電池サブモジュール(30cm角)で,世界最高変換効率19.2%を達成した。これは,2012年2月に同社が薄膜系太陽電池サブモジュールで達成した世界最高記録17.8%を1.4ポイントも更新するものであり,全ての薄膜系太陽電池サブモジュールと比較しても世界最高記録となる。
この成果は,光吸収層における製膜プロセスの改良による品質改善やバッファ層の変更等の技術により達成されたものであり,NEDOが掲げる発電コスト目標(2020年に14円/kWh,2030年に7円/kWh)の実現に向けて大きく前進するもの。また,今回の成果と併せて,7cm×5cmサイズのCIS系薄膜太陽電池においても,世界最高変換効率19.8%を達成した。
ソーラーフロンティアは,今回の成果に用いた新技術の一部を適用して性能を大幅に向上させた製品を,今夏から量産開始する予定。