パナソニックは,スマートフォン、タブレットなどのモバイル機器の大容量データの高速通信と薄型化に対応する「低伝送損失 フレキシブル多層基板材料」を製品化,2017年1月から量産を開始する(ニュースリリース)。
現在主流の大容量伝送用の同軸ケーブルは厚みがあり,モバイル機器の薄型化が難しい。大容量伝送と薄型化を両立するために高周波用フレキシブル多層基板が注目されているが,材料の性質上取り扱いに制約が多く,製造に特殊設備が必要となるなどの課題があった。
同社は今回,LCP(液晶ポリマー)のコア材と,低温成型及び常温保存が可能な接着シート材料の組合せで,高周波用フレキシブル多層基板の製造が容易になるという。
独自の樹脂設計技術により,200度以下の低温成型と常温保存ができる接着シートを開発した。これにより,接着シートの高温成型や冷蔵保存のための専用設備が不要となる。また,LCPコア材においても独自の積層技術によりLCPと低粗度銅箔の高い接着性を実現した。
さらに,これまでコア材に用いられているポリイミドフィルムなどの素材では伝送損失が大きく,高速伝送用途では使用できなかったが,この材料では低伝送損失を実現。大容量,高速伝送に対応する。