三菱電機は,連続光を使用する大型プロジェクターの光源として,発光波長639nmの鮮やかな赤色で世界最高の連続駆動光出力2.1Wを実現した赤色高出力半導体レーザー「ML562G85」を2017年2月1日に発売する(ニュースリリース)。サンプル価格は5,000円/個。
プロジェクターの光源は,従来の水銀ランプ光源から,高効率・高い色再現性・長寿命の特長をもつ固体光源へ移行しつつある。固体光源のなかでも半導体レーザーは,電力変換効率が高いためプロジェクターの消費電力を抑えられるほか,表示色範囲の拡大や高いコントラスト比による画質向上も図れる。
同社は独自の結晶形成技術や端面窓構造技術により,波長638nmでパルス光出力1.0W・連続駆動光出力0.5Wを実現した高出力半導体レーザー(ML501P73)を2010年11月に発売した。さらに,2015年9月には波長638nmのパルス光出力2.5W半導体レーザー(ML562G84)を発売している。
一方,プロジェクターの光源となる3色の半導体レーザーのうち,赤色において視感度の有利な波長640nm以下の製品は,これまで高い温度下で高出力を連続させることが困難だった。同社は今回,従来製品比4.2倍となる,世界最高の連続駆動光出力2.1Wを実現した半導体レーザーを発売する。
これにより,レーザーダイオード1個あたり約250ルーメン相当の光源の構成が可能で,電力変換効率約41%(ケース温度 25℃,連続駆動2.1W時)の高効率を実現し,消費電力を低減した。また,大型のφ9.0mmTO-CANパッケージを採用し,放熱性を改善し,連続駆動光出力2.1Wで,0~45℃の動作温度範囲を実現した。