東工大,原子のように振る舞うナノカプセルを結合


東京工業大学の研究グループは,原子のように方向性と価数を持つナノカプセルであるデンドリマーをつなぎ役の架橋分子を介して一次元と二次元状に並べることに成功した(ニュースリリース)。

分子でありながら原子のように振る舞う原子模倣特性(atom mimicry feature)を持つ物質の研究が近年盛んになっている。樹木の枝が伸びるように規則正しい分岐を持つ球状の高分子でありながらナノサイズのカプセルとしての機能も併せ持つデンドリマーも原子模倣物質の一例として注目されている。

今回,このようなデンドリマーを原子のように結合(重合)させて並べることを達成した。また,このカプセルに金属塩を集積できることを見出した。金属塩はサイズ制御されたナノ粒子へと変換可能であることから様々な機能を持ったナノ粒子を配列することが可能になる。

また,このカプセルには金属塩に限らず,有機金属錯体,有機カチオン,疎水性分子,蛍光色素などのナノ材料を取り込めることが知られており,カプセルと架橋分子のデザインによって様々な次元性をもってナノ材料を配列できるテンプレートとなることが期待できるという。

この成果は,基礎科学的にも,新しい原子模倣物質の科学の開拓へつながるとしている。

キーワード:

関連記事

  • 京都大学など、人工次元で乱れに強い「トポロジカル原⼦レーザー」の発振に成功

    京都⼤学と東北⼤学は、極低温のルビジウム原⼦を⽤いた実験により、トポロジカル原⼦レーザーの発振に成功した(ニュースリリース)。 量⼦⼒学の世界において、外部環境とのエネルギーの出⼊りがある系は⾮エルミート量⼦系と呼ばれる…

    2026.01.13
  • 北大ら,時分割X線回折像でナノ粒子の回転を解析

    北海道⼤学と東京大学は,時分割X線回折像から高分子複合材料におけるナノ粒子の回転ダイナミクスを測定する新たなX線活用手法の開発に成功した(ニュースリリース)。 プラスチックやゴムに代表される高分子材料は,日常生活から産業…

    2025.10.10
  • 東大,浮揚ナノ粒子で量子スクイージングを実現

    東京大学の研究グループは,空中に浮かせたナノ粒子の運動状態の量子スクイージングを実現した(ニュースリリース)。 量子スクイージングは,原子・分子・光子などの微視的な系を中心とする様々な系で揺らぎを極限的に低減し,非古典的…

    2025.09.25
  • 北大,水素とナノファイバーを合成する光触媒を開発

    北海道大学の研究グループは,金属錯体色素を複層化した光触媒ナノ粒子とアルコール酸化触媒分子を連動させることで,持続利用可能な資源であるセルロースからクリーンエネルギー源となる水素と高機能材料となるセルロースナノファイバー…

    2025.08.28
  • 科学大,酸フッ化物光触媒のナノ粒子化を実現

    東京科学大学の研究グループは,特殊な無機材料である酸フッ化物をナノ粒子として合成する手法を確立し,これを光触媒として用いることによって,可視光のエネルギーで水から水素を生成する反応の効率を,従来の約60倍にまで高めること…

    2025.08.01

新着ニュース

人気記事

編集部おすすめ

  • オプトキャリア