矢野経済研究所は,3Dプリンターメーカー,販売代理店,造形サービス事業者(サービスビューロー等),ソフトウェア関連企業等を対象として,世界の3Dプリンター市場の調査を実施した(ニュースリリース)。
それによると,2015年の世界の3Dプリンターの出荷台数(メーカー出荷数量ベース)は前年比72.7%増の19万台となった。市場は60万円未満のローエンド3Dプリンターと60万円以上の産業用ハイエンド3Dプリンターの二極化が進んでいる。
出荷台数を牽引するのはローエンド装置で,簡易かつ迅速に試作を行うための導入が進む他に,教育機関での導入が増加基調にあるという。
3Dプリンターの性能は近年,かつてないスピードで進化しており,新しい材料の誕生,製造現場などへの更なる普及により,市場は今後も大きく拡大するという。これらを背景に,世界の3Dプリンター出荷台数は,2013年から2019年までのCAGRは77.0%で推移し,2019年における出荷台数(メーカー出荷数量ベース)は215万台になると予測する。
この調査に関連したアンケート調査で,日本国内の3Dプリンターユーザー154人に対して,3Dプリンターで造形しているもの/用途を尋ねたところ,「試作品」がトップで59.1%,「治具」が24.7%,「最終製品(の一部)(パーツなど)」が20.1%,「金型」が16.9%となっており,国内においても3Dプリンタを用いた本格的なものづくりが始まりつつあるとした。