オリンパスは,科学事業の新製品として,主に自動車・航空部品の品質管理に必要な工業規格に対応したコンタミネーション解析システム「CIX100」を11月16日に発売した(ニュースリリース)。同社はこの製品の導入を皮切りに,日本の工業部品の洗浄市場に参入する。
自動車部品や航空部品などの工業部品の表面に付着した異物は,部品の信頼性・耐久性に影響を及ぼす可能性があるため,規定どおり洗浄が行われていることの確認を目的とした,洗浄油・洗浄液内の異物測定だけでなく,工業製品内の潤滑油・油圧作動油・ATF(自動変速機油)中のコンタミネーション(異物混入)管理も重要となっている。
これまでは検査対象となる油や液体をフィルターでろ過し,フィルターに残った異物の重さを計量する「重量法」が一般的だったが,昨今では,異物の粒子サイズの分類に基づいた汚染度測定方法がさまざまな工業規格で明示されており,異物の粒子形状や組成を分析することのできる「顕微鏡法」への需要が高まっている。
新製品は,光学性能の高い工業顕微鏡の筐体と,専用に開発されたソフトウェアにより,コンタミネーション解析に最適な顕微鏡システムを構成した。顕微鏡のカメラ部をカバーで保護することで検査条件のばらつきを排除し,高い再現性を実現する。また,粒子標準デバイスを用いた定期確認が可能なため,検査結果の安定性を確保できる。
捜査は,サンプルを設置し,モニター上でソフトウェアを操作するだけで,顕微鏡のユニットが自動制御されるので,検査の開始からレポート作成まで簡単に行なうことができる。また,直感的な操作が可能なインターフェースやタッチパネル対応により,快適な操作を実現した。
さらに,1回のスキャンだけで金属異物と非金属異物の2種類の粒子を高感度で検出することができる。撮像範囲を超えた大きな粒子の画像を自動的に再構築できるだけでなく,検査中でも検出した粒子の詳細を確認することのできる機能や,検査中に規格に沿った検査結果情報が随時更新される機能などを搭載し,信頼性の高い検査を短時間で行なえるとしている。
また,16種類の工業規格に対応しており,規格に準拠した検査結果やレポートを簡単に出力できる機能も搭載した。