ロームは,スポーツバンドやスマートウォッチなどのウェアラブル機器向けに,脈波信号を測定する脈波センサー「BH1790GLC」を開発した(ニュースリリース)。
このセンサーは,同社がこれまで培ってきた光センサー技術のノウハウと,独自のアナログ回路技術を駆使したことにより,センサー感度を向上。これによりLEDの輝度が低くても,脈波を正確に感知することが可能になり,業界最小クラスの低消費電力(従来比約74%削減)を実現した。
また,脈波検出に最適なGreen波長感度に合わせたフォトダイオードを使用。同時に受光部にGreenフィルター,赤外線 (IR) カットフィルターを組み合わせることにより,脈波信号の高精度検出を実現した。
これにより,ウェアラブル機器のバッテリー長寿命化を実現しつつ,赤外線の影響を従来品比1/10以下に低減し,スポーツなどの激しい動きや屋外など赤外線が強い環境下でも,安定した脈拍数が取得可能となった。
2016年10月よりサンプル出荷(600円/個:税抜)を開始しており,2016年11月から当面月産50万個の体制で量産を開始している。生産拠点は前工程がローム,後工程がROHM Electronics Philippines Inc.(フィリピン)となる。
なお,全世界で広く活用されているArduino Unoに接続し,オープンプラットフォーム(汎用マイコンボード)でセンサー情報を簡単に測定できるセンサシールドの脈波センサー拡張ボード「BH1790GLC-EVK-001」は,2016年11月からチップワンストップ,コアスタッフ,アールエスコンポーネンツの3社にて,インターネット販売を開始している。
関連動画「ロームが開発するLEDを用いた「脈波」検出センサ」