愛媛大学は,同大医学部附属病院消化器腫瘍外科における手術支援ロボットを用いた腹腔鏡下胃がん手術が,厚生労働省から先進医療(先進医療B)として認可を受けたと発表した(ニュースリリース)。
技術名は「内視鏡下手術用ロボットを用いた腹腔鏡下胃切除術」で,ロボット手術の安全性,有効性,経済性を検証する多施設共同臨床試験として行なわれる。
同院では,米Intuitive Surgical社の製品「ダ・ヴィンチSi」を使用する。このロボットはは外科医が3Dの高精細画像を見ながら操作し,4本のアームが外科医の精細な手の動きを更に精緻に制御する。腹部の傷の大きさは,従来の腹腔鏡下手術によるものとほぼ同じになる。
この臨床試験では,参加施設・術者(執刀医)個人について,ロボット手術や腹腔鏡下手術の経験や,技術を担保する認定資格などに関する一定の基準が設けられており,それらを満たした施設の外科医のみが実施することができる。
先進医療に係る費用は患者自己負担となるが,この先進医療においては一部をIntuitive Surgical社が負担するため,患者負担額は約63万円となる。
ロボット手術で外科医が操る手術器械は,通常の腹腔鏡下手術用器具にはない関節機能を持つため,より繊細な動きが可能。手術野を3Dの精緻なカメラで観察することができ,精緻な器具の操作が可能であることから,従来の手術で発生していた合併症を減らすことが期待されている。