スイスESPROS社は,オプトエレクトロニクス関連企業向けに各種ICや3次元センサーの開発・製造を手掛けているが,ToF方式CCDセンサーの開発において数十億円規模の先行投資を行ない製品化に成功。10万lxという高い外乱光耐性と裏面照射による高感度化を達成した。
今回,リンクスは,このセンサーが日本国内市場における既存のセンサー技術を刷新できるものと確信し,総代理店契約を締結した。海外では自動ドアや無人搬送車,ドローンなどへ組み込まれるなど,ToF方式CCDセンサーの応用が進んでいる。
ToFとは,LEDやレーザーの光が対象物にあたり,反射して戻ってくるまでの時間を計測することで,距離を算出する3次元系計測手法。光の速さをとらえる必要があるが,専用機構を搭載したToF用CCDセンサーを使用することで,光の飛行時間を計測できる。この機構により,3次元距離計測スキャナーを開発することができる。
動作原理だが,一般的なカメラで使用されているCCDやCMOSセンサーといった受光素子では一度の撮影で,一回のシャッターを切り,画像を作り出す。これに対して,ToF方式のCCDセンサーは,1度の撮影のために2回シャッターを切る機構を持つ。つまり,2つのシャッターを高速に切り替えることで反射光が戻るまでの時間を計測するという仕組みだ。
このToFの技術は,自動車メーカーも注目しているという。運転支援システムや自動運転システムに利用されているセンサーは点でとらえているが,ToFによるセンサーでは面でとらえることができるとし,一度に多くの情報を得られることが可能になる。
同社では,日本国内市場においてEPROS社製ToF方式CCDセンサー「epcシリーズ」を必要とするアプリケーションがあるとし,特にロジスティクス,ロボット,セキュリティ分野の企業を対象に販売していくとしている。
ToF方式CCDセンサーの概要は下記のとおり。
解像度:1×1 px,8×8 px,160x60px,320×240 px,すぐに撮像テストが可能な評価キットあり。