パナソニックは,太陽光独立電源パッケージ「パワーサプライステーション」を,ミャンマー連邦共和国マグウェイ管区のインマジャウン村へ納入した(ニュースリリース)。
これは,タイ王国のMFL財団が,ミャンマー連邦共和国のマグウェイ管区イェナンジャウン地域で推進している,「SUSTAINABLE ALTERNATIVE LIVELIHOOD DEVELOPMENT PROJECT(地域における継続可能な生活力向上プロジェクト)」に,同社の「パワーサプライステーション」が採用された ことによるもの。このプロジェクトは,三井物産のCSR活動の一環として,MFL財団の活動趣旨に賛同して拠出された寄付金をもとに実現した。
ミャンマーの無電化率はASEAN諸国の中でも最低水準で,約68%と言われている。また,ミャンマーの農村・山間地域では,現金収入の獲得手段が少なく,貧しい生活を強いられている人々が多く存在し,ミャンマーの貧困率は約37%以上であると言われているという。
インマジャウン村は約140戸の集落で,農村・山間地域に位置し,電力公社による電化はされておらず,生活の安心・安全,衛生,医療,教育等の水準も低いのが現状。また,この地域には,猛毒で知られるクサリヘビやコブラなど,複数種の毒ヘビが生息しており,特に夜間に明かりのない場所を歩行するのは危険で,日々,毒ヘビの脅威を感じる生活を強いられている。
納入をした「パワーサプライステーション」は,新興諸国などに多く存在する無電化地域向けに開発したもので,同社製の太陽電池パネルや蓄電池を活用した太陽光独立電源パッケージ。これよって,村に電気を供給することが可能になり,街路灯を設置して明かりをともし,夜間でも安心して歩行ができるようになった。
街路灯にはLED電球を使用し,タイムスイッチで入切制御することにより,限られた電力を効率的に活用できる。また,村の集会場には冷蔵庫を設置し,MFL財団と村の責任の下,毒ヘビ用の血清を保冷管理し,インマジャウン村だけでなく周囲の村にも血清を提供することで,イェナンジャウン地域全体に貢献する。
さらに,インマジャウン村では,いつでも電気が使用できる環境となった集会場を村の住民たちに解放し,テレビ観賞や携帯電話の充電だけでなく,子どもたちの勉強の場や読経会の場など,さまざまな目的で活用するとしている。