オンセミ,低照度向けIT-EMCCDを発売

オン・セミコンダクターは,産業市場における低照度イメージング・ソリューションに適した,インターライン転送型電子倍増式の電荷結合素子(IT-EMCCD)技術を利用した新製品を投入する(ニュースリリース)。

新製品の8メガピクセル「KAE 08151」イメージセンサーは,同社のIT EMCCD技術を用いた2番目のデバイスであり,既存の1080p解像度イメージセンサーと同じサブエレクトロンノイズ・フロアおよびイメージングの多用途性を備えている。

新製品は,プロ仕様の顕微鏡のイメージング・パスと一致する22ミリ対角線(4/3型光学フォーマット)により,サブルクスからブライトライトに至るイメージング範囲で使用される高解像度の顕微鏡検査および科学イメージング・アプリケーションを直接ターゲットとしている。

また,新しいパッケージング・オプションは,熱電クーラー(TEC)をパッケージ・デザインに直接組み込んだ,このファミリーのいずれのデバイスでも使用できる。このクーラーを統合したことで,これらデバイスの性能を最適化する冷却カメラの開発が効率化される。

IT EMCCDデバイスは,2つの確立されたイメージング技術を独自のアウトプット構造で組み合わせることにより,低ノイズ,高ダイナミックレンジのイメージングを可能にする。インターライン転送型CCDは,超高効率電子シャッターにより高画質と均一性を実現しているが,この技術は全体的なノイズ・フロアが出力されるため,必ずしも超低照度メージングに適さない。

逆に,EMCCDイメージセンサーは,低ノイズイメージングには優れているが,従来は限定されたダイナミックレンジの低解像度デバイスでのみ利用できた。この2つの技術を組み合わせることにより,EMCCDの低ノイズアーキテクチャをマルチメガピクセル解像度のイメージセンサへ初めて拡張できるようになったという。

また,革新的なアウトプットデザインにより,標準CCD(低ゲイン)とEMCCD(高ゲイン)のアウトプットを1回の画像取得により両方利用できるため,1つの画像で太陽光から星の輝きまで,シーンの検知を広げることができるとしている。

新製品は,CPGA-モノクロおよびベイヤーカラー設定ができるデバイスを155パッケージで現在サンプル出荷中で,TECを組み込んだサンプルは2017年第1四半期のリリースを予定している。

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