茨城大,巨大氷惑星の形成現場を観測

茨城大学の研究チームは,うみへび座TW星の円盤内の塵が放つ電波をアルマ望遠鏡で捉え,円盤のようすを詳しく描き出すことに成功した(ニュースリリース)。

近年,太陽以外の星のまわりにも,多様性に富む数多くの惑星が発見されてきた。しかし,それらの形成過程は謎のままであり,天王星・海王星のような巨大氷惑星の形成過程も,いまだによく分かっていない。

うみへび座TW星は,年齢が約1000万歳と若く,星のまわりには塵とガスの円盤があると知られている。今回,大型電波干渉計「アルマ望遠鏡」を使用した観測を行なった。円盤内にある極低温(氷点下250℃程度)の塵は目に見える光では輝いていないが,電波では輝いていることが知られている。

アルマ望遠鏡を用いて電波で観測することにより,光では見ることのできない円盤内の冷たい塵を見ることができる。その結果,円盤には何本かの暗い隙間が刻まれており,特に半径22天文単位の隙間では,周囲に比べて小さな塵が豊富に存在することがわかった。

理論的研究から,円盤内に惑星が存在すると,こうした特徴が現れることが提唱されており,今回の観測成果はこの理論予測と合致する。

隙間の特徴を考慮すると,ここには海王星程度の大きさの惑星ができていると考えられるという。この発見により,どんな大きさの惑星が,どこでいつごろ作られるかが明らかにできると期待されるとしている。

関連記事「東工大ら,理論的に存在しない惑星を発見」「アルマ望遠鏡,原始惑星系に複雑な有機分子を発見」「東工大ら,原始惑星系円盤を貫く磁場の強度が上限値を持つことを理論的に解明

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