熊本大学は,平成28年熊本地震の被災農地(阿蘇市)において,ドローンによる細密写真測量を実施し,創造的復興事業に有用な3Dモデル,等高線図,断面図を作成した(ニュースリリース)。
震災後の迅速な被災状況の把握,復興計画の検討に必要とされる測量図等の作成のため,文化財の保存・記録技術である精密写真測量の応用試験を阿蘇市内被災農地で実施した。
小型マルチコプター(ドローン)により約2haの圃場を4時間ほど写真測量し,1日の作業で高低5㎝レベルでの3Dモデルを作成,そのモデルより,計画検討に使用しうるコンタ(等高線図)と圃場断面図を作成,迅速な震災復興計画策定のための技術を現地試験により体系化した。
この試験により作成した3Dモデルは,非常に再現性が高い仕上がりになっており,農地復興により断層が直接観察できなくなっても,タブレットやスマホ画面等で臨場感に溢れた映像再生が可能になる。
研究グループではこの技術を野外博物館等で活用することにより,世界農業遺産・ジオパーク等を背景とした交流・学習・体験型農業の実施にも有益であり,創造的復興事業の有効な手段にもなるとしている。
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