三菱マテリアルは,フラットパネルディスプレイや太陽電池等の基板の大型化に伴い,これに対応する円筒型,大型平板のスパッタリングターゲットの量産技術の開発およびその製造を加速するため,基幹工場である三田工場(兵庫県三田市)に「量産技術センター」を新設した(ニュースリリース)。
スパッタリングターゲットは,対象とする基板に原子レベルで合金や金属酸化物等の物質を付着させ,薄い膜を形成するための電子材料。近年では60インチ(約1.5m)を超える大型テレビの普及が進み,大きな面積の対象基板に均質な膜を形成できるスパッタリングターゲットの需要が高まっている。
これに対応するスパッタリングターゲットとして円筒型や大型平板があるが,特に円筒型は大面積基板に対応できることに加え,利用効率が高いという特性を持っている。円筒型スパッタリングターゲットの市場規模は現在100億円以上と推定されており,今後もさらに拡大していくものと期待されているという。
同社はディスプレイ用・太陽電池用の円筒型・大型平板スパッタリングターゲットの先発メーカーで,この分野では円筒型スパッタリングターゲットに対する需要が高まっているという。
新設した「量産技術センター」に円筒型・大型平板スパッタリングターゲットの開発設備,生産設備を導入したことにより,ニーズにタイムリーに対応する製品の開発・製造体制を強化していくとしている。