横河メータ&インスツルメンツは,2μm帯の長波長対応に対応した光スペクトラムアナライザ「AQ6375B」を9月25日に発売した(ニュースリリース)。
近年,FTTH(Fiber To The Home)などの通信分野以外にも,工業,医療,照明,画像,セキュリティ,環境など様々な分野で光が活用されている。特に医療や環境分野では従来の通信分野と異なる波長域も使用されており,測定器には,より広い波長域での高精度な測定が求められている。
この製品は長波長(1200~2400nm)に対応しており,通信用波長域だけでなく,ガスセンシングなどの環境計測や医療,バイオなどに使われる近赤外域まで幅広くカバーする。また‐70dBmまでの測定ができるので,低パワーの光源や光デバイスの出力を測定可能。
ダブルパスモノクロメータ光学系を採用。この光学系の採用により,高波長分解能(0.05nm)と広近傍ダイナミックレンジ(55dB)が実現でき,信号近傍のノイズ成分を信号と分離して測定することができる。
近赤外域波長には,水蒸気の影響により強い光吸収が見られる波長領域が存在し,測定の妨げとなる場合がある。この製品は,背面に設けた給排気口よりモノクロメータ内部に窒素などのパージガスを連続的に供給することで,水蒸気の光吸収が測定へ及ぼす影響を低減できる。
弊社独自技術により,100nmスパンで0.5秒の掃引スピードを実現。モノクロメータでシステムアップした従来の測定システムと比べ,測定スループットを大幅に改善。また,ダブルスピードモードでは標準モードの最大2倍の速度で測定できる(この時,感度は約2dB低下する)。
アプリケーションとして,光ファイバ通信,半導体レーザー/ファイバレーザー,ガスセンシング/環境計測用,医療/バイオメディカル用,空間光通信用,光パッシブデバイスフィルタ,FBG,特殊ファイバなど。