東海光学は,8 mm角の光学フィルタ・ミラーシステムの開発を進めている。当初は近赤外波長領域を対象とし,6 ~ 8 種類のLWPF(Long WavelengthPass Filter)と,4種類の無反射NDフィルタをラインナップする計画だ。
同社によると,「最近では,試作開発向けの案件が増えてきている。このようなフェーズでは,例えば,最終製品の小型化も見込んだ開発が求められている。そこで,従来よりも小さなサイズの光学フィルタやミラーの需要が見込める。市場ニーズを把握することで試作市場での効率的な販売と量産への道筋を探る」とし,8mm角の光学フィルタ・ミラーシステム開発の経緯を語る。
同社は8 mm角のサイズを標準品として製品化する。従来の光電管などとは異なり,現在主流のフォトセンサーの大半は6 mm以下のサイズであるほか,レーザによる計測用途を想定した場合では小径なスポットサイズとなるため,必ずしも大きなサイズを必要としないからだ。
より小型サイズなものでは,これまでカスタムメイドでの対応となり,高コストになりがちだったが,これにより低コスト要求にも応える。さらに,サイズの選択肢が増えるということは自前で任意のサイズに切断・研磨加工などを行なうといったカスタマイズの手間も省けるため,利便性の面でもアドバンテージを持つとしている。
製品化する光学フィルタはその種類を一目で判別可能にするため,サイドにカラーコードを表示させる。これにより,管理面でも利便性を高める。現在同社は実用新案などの知財を進めている。ベースホルダは外形20 mmを標準品としているが,外形12.5 mmや外形変換リングなどをオプション対応する。複数の光学フィルタを一つのホルダに収めることもできるほか,既存の市販ホルダへの取り付けも可能としている。
現在,製品化に向けてマーケティング調査を進めているが,2015年度中にも販売を開始する考え。WEBサイトなども活用したカタログ販売を計画しており,45 度用ホルダや赤外カットフィルタ,高反射ミラー,AL増反射ミラー,ビームスプリッタ,ハーフミラーなどの製品ラインナップの拡充も視野に入れている。