横河電気,レーザガス分析計を発売

横河電機は,石油,石油化学,電力,鉄鋼などのプラントで燃焼時のガスの濃度を直接かつ高速に測定するレーザガス分析計「TDLS8000」を開発,5月7日から発売する(ニュースリリース)。

新製品は,現行機種「TDLS200」の測定精度を向上させ,操作性を改善した後継機種。同社はこの製品をプラントの運転効率向上と安全操業に向けた,ガス分析分野に投入する。

プラントで最適な燃焼状態を保つ運転監視を実現するには,酸素濃度や一酸化炭素濃度を常時監視するためのセンサが求められる。同社の現行機種「TDLS200」は,酸素,一酸化炭素,二酸化炭素,アンモニアなどの,近赤外線領域に吸収される性質があるガスの濃度を直接かつ高速に測定するレーザガス分析計。2008年の発売以来,世界でも高いシェアを占めている。

新製品は,開発した「リファレンスセル」を投光部に搭載したことで,スペクトル面積法において重要な技術要素である,吸光度のピーク検知がより正確に行なえるようになった。

また,測定対象に応じて検出感度を自動で最適化する機能(オートゲイン機能)を受光部に搭載したことで信号対雑音比(S/N比)が向上し,石炭の燃焼ガスなどダスト濃度が大きく変動するガスも現場で光の強度を調整することなく高精度に測定できるようになった。さらに,国際電気標準会議(IEC)の安全度水準SIL2に適合した設計を施し,プラントの安全操業を支援する。

今回7.5インチ液晶タッチスクリーンを採用しパラメータの設定も画面にタッチして直感的に行なえるようになった。また,投光部のレーザ素子を破損しにくい密閉構造のモジュール型にし,かつ校正データを所持できるようにした。レーザモジュールの交換が必要になっても,分析計本体を取り外して校正する作業が不要になる。