NEDOら,100Gデジタルコヒーレント光トランシーバを開発

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO),技術研究組合光電子融合基盤技術研究所(PETRA),富士通オプティカルコンポーネンツは,データの伝送性能を飛躍的に向上させることが可能なデジタルコヒーレント技術を適用した小型光トランシーバを開発した(ニュースリリース)。

クラウドコンピューティングの進展によりデータセンタ等における情報処理量や通信トラフィックが指数関数的に増大し,それに係る電力消費量も急増することが予想されている。このため,情報通信機器等の高速化と低消費電力化を両立できる技術の実現が望まれている。

開発グループは,「超低消費電力型光エレクトロニクス実装システム技術開発プロジェクト」で,LSIチップ等で入出力される電気信号を光信号に変える電気・光変換技術や高速の光信号を伝えるための光配線技術,伝送技術等の要素技術とそれらを集積化する技術を開発し,電子回路技術と融合させた光電子融合システム技術の確立を目指している。

今回,PETRAの研究開発により得られた,データの伝送性能を飛躍的に向上させることが可能なデジタルコヒーレント技術を適用し,富士通オプティカルコンポーネンツが小型光トランシーバを開発した。この光トランシーバを情報通信機器に装着することで,80kmから1000km以上の100GE伝送が可能となる。

現在,100GEの光インタフェースで業界標準規格となっているCFP2 MSA光トランシーバと同一の外形形状を維持しつつデジタルコヒーレント伝送に必要な各種光デバイスを搭載することに成功した。

光エレメントの小型化と高密度パッケージング技術や高精度な自動搭載技術の開発とデジタル信号処理に必要なDSP-LSIをトランシーバの外部に配置することにより,従来の半分のサイズ(108×42×12mm)と低消費電力(12W)を実現した。光トランシーバとDSP-LSI間のインタフェースは,OIFで審議中の業界標準規格に準拠している。

今後,富士通オプティカルコンポーネンツが,開発した小型デジタルコヒーレント光トランシーバの情報通信機器との接続性を確認するとともに,フィールド実証実験を行なう。同時に,信頼性に関する技術を確立し,2015年度中の事業化を目指す。

なお今回の開発成果は,3月24日から26日まで米国カリフォルニア州ロサンゼルスで開催される国際会議OFC2015のPETRAブースにおいて動態デモンストレーョンを実施する予定。

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