NTTデータ研ら,ウェアラブルデバイスを用いた大規模実証評価実験を実施

NTTデータ経営研究所は,東京大学,早稲田大学,旭化成ホームズ,NTTデータ,大日本印刷(DNP),竹中工務店,パナソニック,フジクラと共同で,各社が参加している応用脳科学コンソーシアム内の「ニューロアーキテクチャー研究会」にて,ウエアラブルセンサや環境センサ,スマートフォンを活用した日常連続計測手法 Ecological Momentary Assessment(EMA)を用いて,オフィスや居住空間における「行動」「生理」「心理(脳)」「環境」および「ライフログ」の連続計測,データベース化<データ解析を実施し,空間快適性評価方法の確立を目指す実証評価実験を2015年2月末まで行なう(ニュースリリース)。

この活動は,データの収集・分析を通し,空間のどのような要素が,人間のストレスやその低減につながるかについて明らかにするとともに,ツールとして構築することで,各社の製品およびサービスを活用し,「快適な暮らし」を実現させることを目的としている。実験は研究会参加各社の社員の協力を得て進めていく。

研究グループは,心理・生理・行動・環境センシングとライフログ取得を 組み合わせたEMA計測および解析による,オフィス空間や居住空間における快適性評価方法確立に向けた実証実験を開始する。

具体的には,スマートフォンのアプリを用いて,1日5回~7 回,ある特定の時間帯や行動後にアンケートを起動し,その時の環境状況や気分,身体状況などを回答。また,脈波や環境センサによる温度,湿度等の計測をアンケート後に実施する。また,腕時計型の活動量計を装着し,日常生活の身体活動(休息,睡眠,活動リズム)を自動測定し,記録する。

さらに,温湿度計と照度計を設置し,測定する。(住宅では浴室と寝室に,オフィスではデスクに設置),オフィスでは風速計,CO2計を設置し,測定する。

研究会では,空間のどのような要素が,人間のストレスやその増減につながるかについて明らかにするとともに,さまざまな製品・サービスの開発評価手法の標準化やマーケティングツールとしての確立を目指す。また,各種センサの取得データに基づく,生活者の健康状態や,ストレス状態等の分析結果を本人にフィードバックするなど,ヘルスケア分野での応用も検討していく。

今後の実用化に向けては,測定機器の精度や計測時のノイズなどの課題を解消するとともに,複数の企業が共同でデータベースを構築することで膨大なヒューマンデータを蓄積し,各社が利用していく中で,データ精度の向上を図るとしている。

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