凸版印刷,プリンテッドエレクトロニクス向け微細印刷技術を確立

凸版印刷は,プリンテッドエレクトロニクス分野の研究開発を進めているが,今回導電性材料を使い,線幅とその間隙をそれぞれ10μmで形成する印刷技術を確立した(ニュースリリース)。

プリンテッドエレクトロニクス技術は,スマートフォンなどのモバイル機器に利用されており,特にタッチパネル画面の引き出し配線で活用されている。現在,線を示す「ライン」と線と線の間である「スペース」を,それぞれ70μmで形成する技術が実用化されており,さらに微細な30μmで形成する技術が研究開発されている。また,近年は,タッチパネルセンサ自体を印刷で形成する研究も進んでいる。

今回同社は,プリンテッドエレクトロニクス分野で研究開発を進め,導電性材料を使用したグラビアオフセット印刷により,「ライン」と「スペース」を10μmで形成する印刷技術を確立した。ラインとスペースの幅を調整することで色の濃淡を表現し,写真や絵画などの画像を印刷することができる。さらに,文字やマークなどを印刷し,それらを組み合わせ画像に埋め込むことができる。

同社では,この技術の特長である,微細印刷が可能であること,導電性を有した線が形成できること,比較的大面積での生産が可能なことを利用して,プリンテッドエレクトロニクス以外の分野にも展開を検討。凸版印刷として知見のある偽造防止技術や,これから本格的な市場拡大が見込まれるウェアラブル端末の配線やセンサ,回路への技術展開を進めていくとしている。