ソニーは,星明かりよりもさらに暗い,闇夜に相当する低照度0.005ルクスの環境においても高画質なカラー映像の撮影を可能とする,世界最高感度を実現した車載カメラ向けCMOSイメージセンサ「IMX224MQV」を商品化する(ニュースリリース)。
サンプル出荷は2014年11月,量産開始は2015年12月,サンプル価格は1,500円を予定。この製品は,同社で初めて自動車向け電子部品の信頼性試験基準「AEC-Q100」に対応するとしている。
このCMOSイメージセンサは,光を電子に変換する効率を高めたフォトダイオードを採用するとともに,電子から電圧への変換効率を高めた回路を搭載することで,従来比約2倍の世界最高感度2,350mV(標準値 F5.6)を実現した。
加えて,最大72dBまで電気信号の増幅が可能なプログラマブルゲインアンプの搭載により,最低被写体照度0.005ルクスを達成し,星明かりよりもさらに暗い闇夜の道でも,高画質なカラー映像の撮影を可能にした。
また,従来の複数回露光のWDR(ワイドダイナミックレンジ)方式と比較して,露光時間を拡張することができるWDR方式に対応しており,対応ISP(Image Signal Processor)との組み合わせにより,低照度領域の画質を改善することができる。
さらに,目に見えない近赤外領域の光に対する感度を向上した画素構造を採用したことで,近赤外用LEDを照射しながら撮影するシステムで使用した場合に,被写体の認識精度を高めることが可能となる。