応用物理学会では,会員の表彰制度として「継続的な活動を通じて応用物理学の発展に多大の貢献をした研究者を表彰する」フェロー表彰制度を2007年度に設置している。
今回,第8回フェローを選出し,授賞式を9月17日~20日,北海道大学にて開催された2014年秋季講演会において行なった(受賞者紹介ページ)。
選考委員会では,2回の委員会を開催して,日本人候補者については,研究,技術開発,教育・公益活動における実績・業績を慎重に審査し,フェロー候補者として16名を選考した。また外国人/海外在住日本人候補者については,上記に加えて本会への貢献を慎重に審査し,国際フェロー候補者として4名を選考した。
受賞者は以下の通り。
•Gerhard Abstreiter(ミュンヘン工科大学 高等研究所 所長)
応用物理学分野における日独学術交流と共同研究開発への貢献
•Paolo Gargini(スタンフォード大学 研究員,講師)
世界の先端半導体研究開発および日米産官学交流促進への貢献
•Simon Min Sze(台湾国立交通大學 交通大學講座教授)
浮遊ゲート型不揮発性半導体メモリの研究と日台学術交流への貢献
•Christopher R. Wronski(ペンシルベニア州立大学 名誉教授)
シリコン薄膜太陽電池の発展と日米学術交流への貢献
以上4名(アルファベット順)
第8回(2014年度)フェロー表彰者 (※所属は表彰時のものを掲載)
•粟野 祐二(慶應義塾大学 理工学部 教授)
カーボンナノチューブと化合物半導体の電子デバイス応用の研究
•太田 淳(奈良先端科学技術大学院大学 物質創成科学研究科 教授)
高機能CMOSイメージセンサとその応用技術に関する研究
•木本 恒暢(京都大学 大学院工学研究科 教授)
SiC半導体の材料科学とパワーデバイス実現への基礎研究
•近藤 道雄((独)産業技術総合研究所 福島再生可能ネルギー研究所 所長代理)
日本における太陽電池の基礎研究と実用化研究,産業化の推進
•田畑 仁(東京大学 大学院工学系研究科 教授)
酸化物およびナノバイオ融合エレクトロニクス研究
•寺嶋 和夫(東京大学 大学院新領域創成科学研究科 教授)
マイクロ・ナノ空間プラズマ材料科学の先導的研究
•富田 康生(電気通信大学 大学院情報理工学研究科 教授)
ホログラフィックナノコンポジット材料に関する先駆的研究
•永津 雅章(静岡大学 創造科学技術大学院 教授,院長)
プラズマ科学技術の医療・バイオ応用に関する先駆的研究
•中村 友二((株)富士通研究所 基盤技術研究所 特任研究員)
高信頼LSI配線材料・プロセスの技術開発と実用化
•丹羽 正昭(東北大学 国際集積エレクトロニクス研究開発センター 教授)
先端CMOS用ゲートスタックの材料学的研究とその実用化展開
•平川 一彦(東京大学 生産技術研究所 教授)
半導体ナノ構造の量子伝導とデバイス応用に関する研究
•牧本 俊樹(早稲田大学 理工学術院 先進理工学部 教授)
III族窒化物半導体の電子・光物性解明とデバイス応用
•松岡 隆志(東北大学 金属材料研究所 教授)
長波長DFB-LDと窒化物の研究による半導体光素子の開発
•美濃島 薫(電気通信大学 大学院情報理工学研究科 教授)
超短光パルスを用いた計測基礎および応用の先端的研究
•森本 章治(金沢大学 総合メディア基盤センター長,大学院自然科学研究科 教授)
アモルファス半導体物性研究と酸化物薄膜作製用PLD法の開発
•湯浅 新治((独)産業技術総合研究所 ナノスピントロニクス研究センター センター長)
MgO障壁巨大トンネル磁気抵抗効果の実現と磁気記録への応用
以上16名(五十音順)
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