生理研ら，脳がどのような情報から光沢を評価しているかを解明

自然科学研究機構生理学研究所のと国際電気通信基礎技術研究所（ATR）の研究グループは，画像のどのような情報を元に脳が光沢を評価しているかを明らかにした（ニュースリリース）。これまで光沢を評価する脳の仕組みは明らかではなかった。

研究グループは，光沢が2つの指標（ハイライトのコントラストと鋭さ）によって知覚されているという心理実験の結果に注目。これらの指標を変化させた画像を作成し，その画像を見ているサルの下側頭皮質の神経細胞の活動を詳細に調べた。

その結果，脳の神経細胞がハイライトのコントラストや，鋭さ，および物体の明るさを指標としていることがわかった。また記録した神経細胞の活動を用いることで，それらの指標を再現できることも明らかにした。

今回の研究により，これまで明らかにされていなかった『光沢を評価するために脳が利用している指標』を明らかになった。研究グループは，この結果により，ヒトと同じように光沢を認識できる機械を作ることにつながる成果だと期待する。光沢は物の質感に影響する重要な性質なため，さまざまなモノづくり産業に役に立つ可能性がるとしている。