三菱電機,静止気象衛星「ひまわり8号」の製造完了・打ち上げへ

三菱電機は,2009年7月に気象庁から受注した静止気象衛星「ひまわり8号」の製造を完了した(ニュースリリース)。「ひまわり8号」は鎌倉製作所から出荷・輸送し,種子島宇宙センターに搬入されH-ⅡAロケットにて10月7日に打ち上げられる予定。

「ひまわり8号」は、「ひまわり7号」の後継機として天気予報はもとより,台風・集中豪雨・気候変動などの監視・予測や,船舶や航空機運航の安全確保を目的とする静止気象衛星。観測データは日本およびアジア・太平洋を囲む30カ国以上に提供され,各国の災害対策にも貢献する。

世界最先端の観測能力を有する気象観測センサの搭載により,観測時間を3分の1に短縮,さらに観測画像の解像度が2倍に向上するとともにカラー画像も取得できるなど,観測性能が大幅に向上した。

同社は,国際競争入札において「ひまわり7号」の製造で培った信頼性と経験に基づく提案を行ない,気象庁から技術・コスト面を含めた総合的な評価を獲得して2009年7月に落札。以降,5年の歳月をかけて製造を進め,製造を完了した。

「ひまわり8号」の概要および性能比較

ひまわり8号 ひまわり7号
概要
全長 約8m(軌道上展開後) 約27m(全長)
衛星バス 三菱電機標準バス「DS2000」 三菱電機標準バス「DS2000」
設計寿命 15年以上 10年
ミッション運用寿命 8年以上 5年(気象ミッション)
質量 ドライ 約1,300kg 打ち上げ時 約3,500kg ドライ 約1,700kg 打ち上げ時 4,650kg
性能比較
解像度
可視 0.5-1km
近赤外 1-2km
赤外 2km
可視 1km
近赤外
赤外 4km
観測頻度
フルディスク 10分毎 30分毎
日本域 2.5分毎
機動観測域 2.5分毎
バンド数
可視域 3種類(カラー合成可能) 白黒画像
近赤外域 3種類の画像 なし
赤外域 10種類の画像 4種類の画像

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