波大学とNIMSらは,ダイヤモンド中のカラーセンターの一つであるSiV-センターを高純度・高結晶性ダイヤモンド薄膜成長時に,極微量の濃度に制御して導入し,単一光子源として作製することに世界で初めて成功した(ニュースリリース)。
これは,固体結晶にとって難題であった不均一なひろがりを解決し,識別することが困難な光子を発生する単一光子源を多数作製することに成功したもの。
開発したダイヤモンド薄膜の極限成長技術によって,結晶内に明るく安定な単一光子源を,結晶中の離れた位置に多数作製することに成功した。さらに,結晶中の離れた位置に作製された単一光子源からは,2光子間で最大91%の大きな発光スペクトル重なりを実現した。
これらの結果は,量子干渉を用いる量子光学,量子コンピューティング,量子情報ネットワークといった応用へ,固体中の単一光子源を用いるための重要な一歩として期待されるとしている。
関連記事「NIIら,ダイヤモンドを用いた現実的な量子コンピュータを設計」「筑波大学など,ダイヤモンドを用いて量子コンピュータの実現に不可欠な量子エラー訂正に成功」「東大,GaN系ナノワイヤ量子ドットで室温での単一光子の発生に成功」「NTTら,原子1個の誤差も無い半導体量子ドットの作製に成功」