東北大学サイバーサイエンスセンターとNECは,東北大学サイバーサイエンスセンター内に「高性能計算技術開発(NEC)共同研究部門」を設置し,次世代スーパーコンピュータの技術研究を,7月1日より開始する(ニュースリリース)。
共同研究部門では,主にスーパーコンピュータのアーキテクチャやシミュレーション技術の高度化と,その応用に関する研究を行なう。また,計算機科学と計算科学の発展を担う人材の育成を目的としている。
具体的には,プロセッサアーキテクチャ,ノード・メモリシステム,ネットワークシステム,I/O・ストレージシステムの設計と,それらの実現に求められるデバイステクノロジーなどを対象としている。またマルチノード・ベクトルスーパーコンピュータシステムにおいて求められる高効率のベクトル処理や,大規模並列化技術の研究開発を実施する。
両者は1958年にパラメトロン式の電子計算機「SENAC-1」(NEAC-1102)を共同開発しており,その後も継続して高性能計算技術の研究や,ユーザアプリケーションの高速化・並列化の研究を行なってきた。東北大学で稼働してきたベクトル型スーパーコンピュータは,高いメモリ性能を活かし,地震・津波・気候変動シミュレーション解析などの防災・減災に関する研究開発や,最新の航空機開発など,最先端のものづくり分野を含む幅広い計算科学分野において活用され,多くの研究成果をあげている。
2014年10月に運用開始予定のNEC製スーパーコンピュータ「SX-ACE」の開発においても,これらのノウハウが活用されており,今後,先端学術情報基盤を活用した新しい科学(サイバーサイエンス)の創造に関する教育・研究を行なう予定。