宇宙航空研究開発機構(JAXA)は,国際宇宙ステーション・「きぼう」日本実験棟を利用する高品質タンパク質結晶生成実験(PCG〔Protein Crystal Growth〕)の第2期実験シリーズ第1回実験を開始すると発表した。この実験には,中外製薬,インタープロテインが民間利用として参加する他,大学等からも18機関が参加する。第1回の実験は平成26年3月26日の打ち上げから平成26年5月14日の帰還までを予定。
JAXA PCGでターゲットとなるタンパク質の精密な立体構造データを取得し,それらを基にタンパク質の働きを理解することで,今後の医薬品,産業用酵素等の研究・開発の発展に寄与することが目的。今後,半年に1度の頻度で,定期的に計6回の宇宙実験の実施を予定する。
また,ヤクルト本社もJAXAとの共同研究を,平成26年4月から開始する。こちらは「閉鎖微小重力環境下におけるプロバイオティクスの継続摂取による免疫機能及び腸内環境に及ぼす影響の検討」を行なう。
これは有人宇宙飛行を成功させるために,宇宙飛行士の心身の健康を維持し,パフォーマンスを最大限発揮させることを目的としてJAXAと共同で行なうもの。腸内環境を改善し,人などに有益な作用をもたらす生きた微生物であるプロバイオティクスを用いた機能性宇宙食の研究を進める。